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ABOUT ME

博士(バイオサイエンス)

1999年 慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業

2001年 慶應義塾大学大学院理工学研究科前期博士課程修了

2003年 日本学術振興会特別研究員(DC2)

2004年 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科

      後期博士課程修了(バイオサイエンス博士)

2004年 日本学術振興会特別研究員(PD)

同 University of Wisconsin-Madison, USA 解剖学分野ポスドク

2005年 日本学術振興会海外特別研究員

2007年 東北大学加齢医学研究所 助教

2008年 JST科学技術振興機構さきがけ研究者(兼任)

2010年 名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻 助教

2016年 名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻 講師

2018年 名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授

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研究内容:RESEARCH INTERESTS

・手足の形成位置の進化

 脊椎動物の中でカメなどは胴体が短く(頭から後ろ足までが近い)、ヘビは長い胴体を持つ(頭から後ろ足までが遠い)ことが知られています。近年の研究で、私たちはこのような脊椎動物の多彩な形態が生まれた理由は、GDF11というたった1つの遺伝子の働くタイミングの違いで説明出来ることが分かりました。このメカニズムは地球上に存在するすべての足を持つ動物に適用出来ると考えられます。この発見は、脊椎動物の形態の大進化を解明するための重要な糸口になるとともに、私たちの体の器官のうちとりわけ後ろ足周辺の、下半身全体の器官の位置を決める発生メカニズムの解明につながることが期待されます。私達は、脊椎動物における骨格パターン進化の中でもとりわけ目に付く、手足の位置の多様性(下図)を生み出した進化的な分子基盤を見つけ、その機能を分子生物学の手法を用いて検証したいと考えています。

EDUCATION

2023 - 2023

Gaithersville University

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・骨格パターンの進化の分子メカニズムは?

 私たちの体の中心には脊椎骨があります。この脊椎骨は頭部に近い方から頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)、尾椎(びつい)と呼ばれています。これらのは脊椎骨の形の違いから区別されています。それぞれの脊椎骨の数や形は異なりますが、頸椎から尾椎までの骨の並び方の順番は一緒です。頭からしっぽにかけての体の軸を前後軸と呼びます。このことから、私たちヒトを含む脊椎動物の前後軸のパターンはお互いよく似ておりそれぞれの脊椎骨の数を変えることで体の形を変化させてきたことが分かります。このそれぞれの脊椎骨の形を作っている遺伝子がHox遺伝子群です。Hox遺伝子群は転写因子をコードしており、それぞれの脊椎骨の部分で特異的に発現するHox遺伝子があり、これによって脊椎骨の前後軸パターンが決まります。このことから、体の前後軸に沿った骨格パターン(脊椎骨の数と形)の変化は、それぞれの種で、どのように発生中にHox遺伝子の発現が誘導されるかによって決まると言えます。私たちは、Hox遺伝子群の発現が発生中に誘導される仕組みを、様々な動物胚やES細胞を用いた分化誘導系を用いて調べることで、骨格パターンの進化の分子メカニズムの解明に挑みます。

・ヘビの胴体は何故長くなったのか?

​ ヘビはとても面白い形をしています。手足がなかったり脊椎骨の数が多かったり、他の爬虫類と比べてもとてもユニークな進化をしています。トカゲの中でも胴体が長い種があり、この種では手足が小さく指の本数も減少しています。このことから胴体が長くなると、手足がなくなる傾向にあると言えるかも知れません。ヘビの胴体はそもそも何故長い?のでしょうか。それはヘビの脊椎骨の数が多い理由を調べる必要があります。脊椎骨は、発生中に中軸中胚葉と言う体の後ろ側の組織が細胞増殖を起こして増え続けることで数が増えます。私たちは、日本固有のヘビであるシマヘビを採取し、その発生過程を記載することに成功しました(右図:シマヘビ胚)。その結果、ヘビの中軸中胚葉の細胞群は他の生物と比べて数が多く、特別な形態をしていることに気付きました。これはヘビ特異的に脊椎骨を多く作るように中軸中胚葉の発生過程に変化(進化)が起こったことが考えられます。私たちは、世界で唯一ヘビの初期胚を手に入れることが出来る強みを生かして、ヘビの胴体が長くなった謎の解明に挑んでいます。

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